デザインの4原則
センスではなく、ロジックでデザインは良くなります。 誰でもすぐに実践できる「4つの基本原則」をマスターしましょう。
基本の4原則
Robin Williams氏が提唱した、ノンデザイナーズ・デザインブックで有名な4つの原則です。
1. 近接 (Proximity)
関連する項目を近づけること。 バラバラに配置せず、グループ化することで、情報の関係性が一目でわかるようになります。
2. 整列 (Alignment)
要素を見えない線に合わせて配置すること。 左揃え、中央揃え、右揃えなど、意図を持って揃えることで、洗練された印象になります。
3. 反復 (Repetition)
デザイン上の特徴を繰り返すこと。 色、フォント、見出しのスタイルなどを統一することで、一貫性が生まれ、プロっぽくなります。
4. 対比 (Contrast)
要素に強弱をつけること。 重要な部分は大きく太く、そうでない部分は小さく。メリハリをつけることで、視線を誘導できます。
原則を組み合わせた改善例
社内報のレイアウト改善では、近接で関連情報をまとめ、整列で余白を揃え、反復で見出しスタイルを統一し、対比で特集記事を強調することで、閲覧率が120%向上した実例があります。4原則は単体ではなく、同時に適用すると効果が最大化します。
フォントと文字組み
文字もデザインの重要な要素です。
- ゴシック体: 親しみやすく、視認性が高い。スライドやWeb向き。
- 明朝体: 真面目で上品、信頼感がある。長文や印刷物向き。
- 丸ゴシック:柔らかく親しみやすいトーン。採用告知や教育系資料に適しています。
💡 文字組みのコツ
行間(line-height)を少し広め(1.5〜1.8倍)に取ると、読みやすさが格段にアップします。 また、1行の文字数が多すぎると目が疲れるので、適度な幅で折り返しましょう。
文字サイズは「情報階層」に合わせて設定します。タイトル24pt、見出し18pt、本文12ptなどメリハリを付けると、読み手が迷わなくなります。英数字と日本語を組み合わせる場合は、全角・半角の混在にも注意しましょう。
レイアウトとグリッド設計
グリッド(見えない格子)を意識することで、整然としたレイアウトになります。資料・Web・アプリなど媒体ごとに最適な列数と余白を決めましょう。
- スライド:2〜3カラムのシンプルなグリッドと大きめの余白で読みやすく。
- Webページ:12カラムグリッドを使うとレスポンシブ対応がしやすい。
- ポスター:左右非対称のグリッドで動きを出す。視線誘導を意識。
余白は「空き」ではなく「呼吸」
余白を詰めすぎると情報が詰め込まれた印象になり、読みにくさにつながります。余白は要素同士の関係性を示すシグナルであり、重要度の高い情報を引き立てる役割も果たします。
色とアクセント
色はブランドイメージや感情に大きな影響を与えます。FY26研修では「信頼感」「前向きさ」「プロフェッショナル」を表現する配色を推奨しています。
- ベースカラー:背景や大枠に使用。白〜淡いグレーで清潔感を出す。
- メインカラー:ブランドを象徴する色(例:ネイビー)。見出しや図形に活用。
- アクセントカラー:注意喚起や行動喚起に使う。使いすぎないことがコツ。
アクセシビリティを意識
色覚多様性に配慮し、コントラスト比(4.5:1以上)を満たすようにしましょう。色だけに頼らず、文字やアイコン、パターンで意味を補足すると、誰にとっても読みやすくなります。
デザインレビューと改善の流れ
デザインは一度で完成させるものではなく、フィードバックを取り込みながらブラッシュアップしていきます。以下のステップでチーム内の合意形成を円滑にします。
- 目的とターゲット共有:資料の目的・想定読者・使用場面を冒頭で確認。
- 構成確認:情報の優先順位が適切か、伝える順番は論理的かをチェック。
- ビジュアル確認:4原則が守られているか、配色とフォントは一貫しているかをレビュー。
- アクセシビリティ確認:フォントサイズ、コントラスト、読み上げ順番などを確認。
- フィードバック蓄積:改善点と理由をドキュメント化し、ナレッジとして共有。
FY26研修では、テンプレートとガイドラインに加え、レビュー用チェックリストも提供しています。活用することで品質のばらつきを抑えられます。